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《 レッスン8 》 考える打ち方



ここでは、さまざまな麻雀の打ち方の一部を考えてみます。
後付けの考え方 / 狙い目の和了り飜数の考え方 /  ドラの切り時 / 和了りの待ち牌を増やす考え方 /
良い振込み / 聴牌しやすい形を増やす考え方 / 暗刻を大切にする打ち方 / 一鳴き聴牌の有効性 /
リャンメン聴牌の有効性 / 少しの違いが大きな違い /  完全一向聴を狙う打ち方 / 押し引きという考え方 /
強気と弱気 / 形式聴牌の重要性 /




 後付け(後ヅケ / アトヅケ / バック)の考え方 
役のない状態から、ポン・チー・カンで仕掛けていき、2回目の鳴き以降で役を作っていく形。

例えば、


の形から、必ず  から鳴いていくのが、先付けという形。

その逆で、 を2つ目以降の鳴きで鳴いたり、  で和了りになる 形を「後付け」といいます。

これは、麻雀をそこそこ知っている人だと怒り出す人もいます。
それは、麻雀は役を作って和了りを目指すものという固定概念から、
最後に役が出来るというのは、和了った人が麻雀を知らなさすぎるという考え方からです。

もちろん、わたし個人の目から見ても、あまり好ましいとは思いません。
その和了りが悪いとは思わないのですが、その打ち方の過程が気になるからです。


まず、上の例題の形

にドラが1枚もなかったと過程して、たった1000点を得ようとするのに

1.将来の和了りの待ちを考えると、カンチャン待ちや見え見えの中張牌になる可能性が高い。
2.将来誰かがリーチを仕掛けてきた場合の、捨て牌に安全牌が無さ過ぎる。

3.他家からみて、後から  を鳴く行為は、手が安いということを見破られる。

4. もし、 が誰かに使われていた場合、先に  以外の牌を鳴いてしまうことで形テンにしかならない。
5.他家の誰かのツモを必然的に増やし、誰かのツモを必然的に減らしている。

麻雀というのは、まず損得勘定が出来なければいけません。

自分が1000点を得るために、他家の誰か一人を有利にしたり、不利にしたりすることは極力避けることも重要です。
この中にドラが2枚以上あって、三飜以上を狙えるなら、少しくらい場を荒らしても自分が有利になることもあるため、
そのリスクを知った上での、後付けの形を取るという戦略はありかと思います。

また、現在の牌効率一辺倒な麻雀をする人や、何が危険で何が安全かを分かっていない相手であれば
役牌も終盤に切ってくることもありますし、中級レベルの相手でも、 こういう待ちはないと思っている相手や、
こういった待ちを良しとしない相手には、十分揺さぶりを掛けることも出来ます。

ようは、後付けをやらなくなってしまって、相手に「こいつはこういう待ちはしないから、これは通る」と思われたら、
そこに技術的な隙が出来てしまうわけです。
もちろん、後付けばかりを好む人は、向上心もなく、技術的に低いとしかいいようがありませんが、
織り交ぜたり、相手によって使い分けたり出来るようになれば、一歩前進したと言えるでしょうね。


相手に驚異も与えられず、伸び伸びと麻雀を打たせるのと、 安いのか高いのか迷わせ、少しでも脅威を感じてもらい、
自分と同じようにリスクを持って麻雀を打ってもらうのか、 どちらが、均衡のとれた麻雀かは分かりますよね?
自分が不利になるだけの鳴きは減らしてみましょう。



それから、これは余談ですが
誰か一人が独走TOPだからと、焦って2位狙いの安手和了りばかりを狙う人がいますが、
これは TOPを安心させてしまい、更に独走させるだけの行為でもあったりします。

麻雀を知らない人は、とにかく安手でも和了れればいいというだけの気持ちで麻雀する人もいます。
しかし、そうすることで、対局する誰もの逆転出来る可能性を無くし、独走TOPとの差が理不尽なくらいの点差になり
もう、逆転出来ない状況になる…それが当たり前と思っている人もいますが、それは間違いの場合もあるのです。

やたら無意味に鳴くことで、場の均衡を壊す…そんな麻雀を繰り返していれば、
何が正しいか間違っているかなんて、気付く以前の麻雀しか出来ないようになります。

麻雀を少し勉強すれば、ムダな鳴きは減ります。 それは、鳴くことのリスクを勉強するためです。
その中から、どんな鳴きが有効か、そうでないかを学ぶ。その気持ちが大切でもあったりします。




 狙い目の和了り飜数の考え方


必ず平均値になるわけではないけど、半荘対局では、最後までに2回和了りのチャンスがあるということ。
となれば、1000点を三回和了られても、一回三飜程度の役が和了れれば、逆転出来るということです。
もちろん、これは理想論で、 麻雀では和了りが必ず半荘2回ということはありえないわけですが、
それを考えていくと、1000点和了りは誰よりもスピードがあり、手の高くならない配牌の場合、
「のみキック」を狙っていくだけにして、 通常は、三飜〜満貫辺りを基準に打っていくと効率がいいと思っています。

最初は見極めが難しいかもしれませんし、鳴けば勝てるという安易な考えで打っているうちは
何が高い手で、何が有効な打ち方かを分からずに過ごしてしまうこともあるかもしれません。

赤ドラが主流になっている現在、リーチにしても、役牌にしても、タンヤオにしても、ドラが絡むだけで
爆発的な点数をたたき出してしまうことがあります。この点を考えると、役を作ることよりも
お手軽和了り重視な打ち手が増えることは仕方ないことなのかもしれません。

個人的には役作りの楽しさは忘れたくありませんが、郷に入り手は号に従えの通り、
赤ドラの多い対局は、赤ドラ対局用の戦術を獲得していくしかありません。




 ドラの切り時/ドラを手放すタイミング


少し麻雀に慣れてくると、ドラ牌や赤牌というのは、なかなか切りにくい場面が多いと気付くと思います。
麻雀の打ち手で、ドラを大切に出来ない打ち方をする人は、やはり実践では負け組みです。
麻雀まがいゲームで勝ってるから強いと思い込んでいる人は、それでも問題ない人もいるでしょうが…

要らないドラを早く切りすぎて、メンツになってたのに…とか、トイツになってた…ということは実に多いです。
また、要らないからと切った瞬間「ポン」されて、一瞬でその局が修羅場になることも多々あります。

しかし切り遅れると、これまた振り込みの元になりかねない…
それくらいなら、この局はドラと心中した方がマシということになってきます。

では、どういう時が不要なドラの切り時でしょう。

個人的には、局の進み具合と、手の大きさ、場の偏り具合が重要だと思っています。

最初は、リャンシャンテン 〜 イーシャンテンまでは我慢し、 自分の手の大きさ(飜数)が
ある程度見込めると感じ不要と判断した時が、ドラを手放すタイミングだと覚えてください。

例えば、役牌のみや、リーチした時にリーのみになってしまうのが目に見えて分かる時は
いくらメンツ構成が良いからと言っても、和了った時、安くては意味がないのです。
(もちろん、大きく勝っている状態であったり、中盤以降相手に大物手気配などがある場合、
 早めに和了りにかかることは十分にあります。 )

でも、その見切りが終盤(13巡目以降)に入っていたら、 ちょっと待った!

相手の手がドラで待ってる聴牌があることも考えてください。
終盤に入ると、誰もがリーチを警戒し、ダマテンも増えます。
そんな状態であれば、ドラが付くことで一飜増えるのであれば、
ドラ待ちダマテンもひとつの戦術であるというのが上級者の考え方です。

なので、終盤に入って聴牌した&ドラ切って聴牌だというのであれば、手牌を崩した方が実践的です。


では、そういう状況判断も考えながら、具体的な例を挙げてみます。

例題1)
 ツモ  ドラ
これは分かりやすいタイミングだと思います。索子への受け入れが多く、ほぼタンヤオも確定。

ドラの  へのくっつき牌も、かなり限定されます。運良く頭になればいいのですが…
ここまで来たら、リーチ時点で、ドラ切りリーチにならないよう、目いっぱい手を広げて
タンピンでリーチを狙いましょう。裏ドラも期待出来ます。
この手を三色でドラ単騎だ!と考えるようでは微妙です。


例題2)
 ツモ  ドラ

ここで  をツモった場合  切りは少し微妙です。
もちろん、聴牌即リーチ裏ドラ期待でOKの場合は、ピンフ手で十分系ですので問題ないのですが
負け負けの3位や4位状態で、この形だったとすると、かなり微妙。 勝ってる人を安心させてしまいます。

負けている場合は、少し遠回りでも、手を大きく育てる気持ちがないと、小さな和了りだけでは、
結局はトータルで逆転を狙う麻雀が出来なくなってしまいます。

もちろん、TOP目に早和了りを狙われてしまう可能性は十分高いですが、
逆転出来る点差に近づく麻雀を考えれば、ここは考えるべきところです。

また、TOP目からの出和了りを期待出来る手作りにも、手役の大きさを補うためドラは欠かせません。

通常の麻雀では三飜手、ドラ過多麻雀では満貫手、くらいを目安に必要かを考えるのがいいと思いますが、
負けてる時は、ドラは押さえ込むくらいの気持ちで手作りを考えてもいいんじゃないかな。

あと、使えないと判断し、危険と判断した切りにくいドラは、誰かが切った同巡内に切ることが大切です。
ただし、ドラ切りをまたいで他家にリーチが入ったのであれば、ドラ切りは考えてください。
ドラ絡みのリーチも十分に考えられるからです。




 和了りの待ち牌を増やす打ち方


 ツモ

この形から、 を切ってリーチ …これは運があれば勝てると言う初心者の打ち方です。

一見亜リャンメンの  or  で十分のように見えますが、

ここは、 打ちのダマ が本命です。もちろん、中盤以降の場合は相手の進行状況によりますが

もし、 に、 か  がくっつけば、 を切ってツモり安い形に取れます。

また、 に     のどれかがくっつけば、  を切り、ツモりやすい形を構築出来ます。
※三索は和了り枚数は少ないですが、余った が飛び出しやすいです。

完全独立系のリャンメンや、変則2〜3面待ちで和了り枚数の多い形は、
かなり優秀な形ですので、 覚えておくといいと思います。

もちろん、終盤で危険な牌になりそうな時は、それぞれ考え方も変わってきますので、 柔軟な構えを心がけてください。




 良い振込み


具体的に例を挙げると…

・勝っている状態で安い手に振り込む
TOP状態で親が回ってきた時、大勝ちならば、それ以上望むのは、欲張りであり、
勝ち状態で場を進めるには、 安く振り込んで進める方が実践的。

・三人リーチがかかった場合に安い手に振り込む
麻雀は絶対に振り込まないということは出来ません。
しかも、三人全員にどれを切っても当たりということは、まったくないわけでもない。
となれば、全体を見る目を養って、安い目に振り込めるようになれると受けに強くなれます。
個人的には、まだまだ100%には程遠いですけどね^^;

・意識的に振り込む

これは賛否両論あるでしょう。
聴牌でもない状態で、他家にわざと振り込むというものです。
意識的に行うことで、マイナスをプラスに変えるアナログ的なやり方です。

・自分が大物手聴牌時に、勝負する危険牌
これは上の3つとは意味合いが違います。
また、時と場合があり、どれもが良いとは言えません。
でも、勝負するタイミングを逃がした麻雀も勝つことが出来ないものです。


被害を最小限度に抑える麻雀というのは、必要な振込みは行い、
不要な振込みは極力少なく出来れば、トータルで勝てる麻雀が出来るようになります。
簡単に書いていますが、結構難しいことなんですけどね。




 聴牌しやすい形を増やす考え方



こういう飛びトイツを手牌に持っているとして、この中から一番必要のない牌を選ぶ場合、どれがいいでしょうか?

 を捨てる場合、
4枚、2枚、2枚、が有効牌となります。


 を捨てる場合、
2枚、4枚、4枚、2枚、が有効牌となります。

 を捨てる場合、
2枚、2枚、4枚、が有効牌となります。

これを見ても分かるように、 を捨てる場合の有効牌が4枚多いことが分かります。

これは、一般いう「牌効率」と呼ばれるものですが、中級以上の打ち手であれば、
デジタルな打ち方をしない人でも、 知っている形ですので覚えておくといいでしょう。

ただし、これは基本であり、実践では、捨てられている枚数を考慮に入れて考える必要があります。
麻雀にとって、和了りまでに1枚でも多く、くっつく牌があることが望ましいわけです。

いろいろな局面で活かされてきますので 惰性で打つのではなく、
いろいろなケースを思い浮かべて 対応出来るようにすると、より雀力がアップします。



 暗刻を大切にする打ち方




この聴牌には  の暗刻があります。 このまま、リーチで 「 ペン  」 リーチを打つことも可能ですが
この待ちが果たして有利でしょうか?

答えはNoです。

河の中には、  を先に捨てて、引っ掛けの布石を作っている場合もあるかもしれません。
その場合は、出和了り期待でリーチを打つことも十分ありえます。
しかし、このただのリーチのみの手を裏ドラ期待だけでリーチするのはリスクが高く、もったいないです。
この手は、たとえドラが1つあったとしても、リーチではなくダマです。もちろんこのままでは
ツモ以外和了れませんが…

こ の手は、まだまだ育ちます。更に、もっと和了りの確率を上げる形に変化する可能性を秘めています。

例えば、この後、 を積もれば   を切ります。

最終形の例として

例1. 待ち4枚 1枚 2枚

例2. 待ち1枚 4枚 2枚

例3. 待ち4枚 3枚 4枚

といった、とてもツモり安い形に変化する可能性があるのです。
もちろん、時と場合によっては(例えば索子が河に多く捨てられている場合など)ペン三索を取る場合もあります。
ありますが、麻雀の基本はツモ和了りの確率を増やすことをベースに考えて打つ人の方が強くなります。

また、数牌の暗刻がこちらに出来ているということは、相手のメンツ構成の一部を分断している可能性もあります。
となると、分断されている他家は、その近辺を最終的に打ち出すしかなくなるということも考えてみて下さい。

手牌に暗刻があるというのは、手役を考える以上に強力なメンツなので覚えておくといいでしょう。


ただし、同じ暗刻が絡む聴牌でも、たとえば、この形
 ※ドラなし

一手代わりの 引き込みで、高め三色同順が見える形で、仮に筒子が伸びても待ちがもっと良くなるようにも見えます。
ですが、この場合は、よほど負けていない限り、リ ーチを打ってしまっても問題ないと思います。

安目の 引き込みではタンヤオが崩れますし、+ で一盃口+ピンフが狙える形ですが、
やはり、高目安目があり不安定な形になってしまいます。

また、その牌が入る頃に確実に  が安全とは限りません。

今のこの形をダマでタンヤオのみで構えるのは、せっかくの、  待ちがもったいない感じもします。

これが仮に単騎や辺張(ペンチャン)などの待ちが 1種類しかない形で、後手の場合、
一手で代わりで、待ちが2種類以上が見込める場合は、ダマで構える方が良いかと思います。

個人的には、ついクセで三色同順まで狙ってしまいますが、 安目の 引き込みでも、結局はタンヤオ、
それならスピードを考えて、ここで勝負をかけるのは十分勝算ありのリーチと言えるでしょう。




 一鳴き聴牌の有効性


麻雀は、配牌から聴牌へ、聴牌から和了りへ向う競技です。

鳴き麻雀の有効性は、暫定TOP者のツモや親のツモを遅らせ、
結果的に2位以下の聴牌速度を上げるという部分が一番重要です。
この部分を理解した打ち手が鳴き麻雀を理解しているとも言えるでしょう。

なかなか鳴き麻雀というのは、簡単そうで難しいものです。

でも、そうでない場合でも、鳴く必要性のある場合は多くあります。

一番効率が良い麻雀というのは、相手に役をしぼらせない打ち方をし
出来るだけ手の内で手を進め、捨て牌の偏りも相手に考えさせる。
また、聴牌が見えた時、 聴牌スピードと打点の高さを天秤にかけ、
聴牌しなおかつ待ちが良いと判断出来た時だけ鳴くというスタイルが有効です。

また面前(メンゼン)手の方が高くなる場合でも、鳴くことにより聴牌出来るタイミングであれば
よほどの点差が付いていない限り、役があれば鳴いて聴牌に取るというのは、実はかなり有利です。

出来る限りは、誰かを極端に有利にする打ち方を控え、
一向聴(イーシャンテン)が聴牌(テンパイ)になるならスピードを見て鳴く。
それが、赤牌やドラの多い麻雀での、効率の良い打ち方でもあります。

また、誰かがリーチで先行した場合も一発消しを行いながら聴牌したり、
鳴くことで、自分が待ちの多い状態で追いつくことが出来れば、 相手のリーチと同等の状態になるということです。
さらに誰もが相手のリーチを脅威に感じるものです。中級レベルの相手の場合、そういう場合でもリーチばかりに
目がいってしまい、ヤミ聴牌に対し一瞬おろそかになるような場合もあります。これも一鳴き聴牌の有利な点です。

これが常時狙いのひとつにしながら、聴牌を目指すというのも上達のコツです。



 リャンメン聴牌の有効性


リャンメン待ちというのは、麻雀において、もっとも重要です。
自分の和了り率を上げ、相手への振込み率を少なからず下げる効果があります。

待ちが一つしかない、カンチャン・ペンチャン・単騎は、通常は一枚のみが和了り牌で
その他の牌は、すべて危険牌になる可能性もあるわけです。

なので、鳴き散らしのあとに、たった1枚で待つという危険性は十分熟知する必要があります。
毎回、待ちの1枚に振り込んでくれる人がいたり、なぜか ツモれているうちは、
相手に恵まれているか、自分の運がいいことに気付いてください。
引っ掛けでもない、不要字牌単騎でもないような1枚待ちは、
本来は、和了り率は0に等しいのです。
ツキ麻雀でOKの人は、このページを読んでいないとは思いますが・・・

では、どうやったら、リャンメン待ちで待てる聴牌が目指せるのでしょう。

例1: 

例2: 

麻雀において、たった1牌の違いや、つながり方が違うだけで、
捨て牌というのは変わってしまうものです。
その違いを見極めることが出来ると リャンメン聴牌がぐっと狙いやすくなります。

前者(例1)には筒子のつながりが後者(例2)と比べるとひとつずれていて
つながりがありません。

この場合、前者の捨て牌を、後者のつもりで、 を切り出してしまうと、
牌の入り方によっては 聴牌時の切り出し牌のソバテン単騎待ちという
窮屈な形になってしまいます。

こういった場合は、 を切っておき、先に頭を固定することで聴牌時に必ずリャンメン待ちになります。

弊害として、 を切ることで、聴牌までに使える牌が少なくはなりますが、
聴牌時点でツモ率の高いリャンメン待ちの聴牌を作れることは、ツモ和了り率を上げ
相手に振り込む率を下げると共に、相手が強引な攻めをした場合、振り込んでくれる率が上がります。

また、後者では、メンツを先に固定して打つことで、聴牌に対する有効な牌枚数が格段に上がります。
どの有効牌が入っても、リャンメン聴牌を目指せるおいしい形と言えます。

前者の例を「頭固定」、後者を「メンツ固定」といいます。
たった1牌の違いで、かなり有利なのが後者ということも大切な要素でもあります。




 少しの違いが大きな違い


まず、この手牌を見てください。


次にこの手牌を見てください。


どちらも同じ亜リャンメンで、前者が   待ち、後者が   待ちです。

和了りたい!と思うのは、後者の方ですが、少しでも和了りやすいという面から見れば
前者の方が、やはり和了りやすいのです。

それは、端牌であることと、相手のメンツとして使用したい牌を使っているからです。

麻雀の牌は1種類4枚。その内の  を一枚ずつ使用しているため、

 を雀頭や暗刻として使用されない限り、メンツ構成が難しく打ち出されてくる確率が非常に高いわけです。

また、 を2枚使用していることで、相手の 絡みのメンツ構成を潰してしまうため

 や  、特に、 という構成を作りにくくしていることも挙げられます。

後者の場合、和了りのための、 での和了りを減らしているのは同じですが、

他家が     などのターツやメンツ構成、また雀頭として
使われている率が高くなっているのです。

このちょっとした違いが、和了りやすさに違いを生んでいます。
ただし、やはり河を読むことも忘れてはいけません。いくら前者が和了りやすいと言っても

 が4枚全て捨てられているなんて状況では、和了り安いもなにもあったもんではありませんので…^^;

しかし、もしも…こんな形で聴牌したら、何を切りますか?
 
どちらを切っても、高め三色になる形です。
こんな形でテンパイしたら、どうすれば良いでしょう。。。

和了りやすさであれば、  待ち、タンヤオ確定なら、  待ちです。
この場合は、個人的には、 を切り、  待ちにします。

和了りの期待値からすれば、どちらも同じようなものですし、
安めが出てもタンヤオは確定するという部分にあります。

もちろん、  がドラであったり、TOP目で河に索子がたくさん出ている場合や、
初心者にありがちなフリテン…そんな場合は、 やはり、待ちも変わってきます。
また、必要なのが点数か和了りなのかでも切り替えて考えなければいけない場合も
出てくるかもしれません。





 完全イーシャンテンを狙う打ち方

イーシャンテンには、いろいろあり、愚形の一向聴(イーシャンテン)から、超完全一向聴(イーシャンテン)と
同じ一向聴であっても、形によって、さまざまな呼ばれ方があります。
これらの呼び方は呼称であり、どんな一向聴も、一向聴は一向聴です(笑)

しかし、和了り易いテンパイをするには、良形で和了り安い形に向かうことが必要不可欠です。

超完全一向聴とは、テンパイするための必要な牌の受け入れ枚数が多く、
またテンパイ時に和了り安い形になる場合の総称のようなものです。

例えば…

という形は完全一向聴です。

4枚、3枚、2枚、4枚、2枚4枚、計6種19枚とテンパイするための牌の枚数も多く、

テンパイ時に必ずリャンメン待ちになります。

と、ここで、もし、 をツモってきた場合に、捨て牌次第で、この形は完全一向聴から、超完全一向聴になります。

その捨て牌とは、 です。



これで、4枚、3枚、3枚、4枚、4枚、4枚、計6種22枚と、テンパイが必ずピンフになる上

テンパイするための利用出来る枚数が増えているのです。これが超完全一向聴です。


また、


という形に、 を、ツモって聴牌した場合の捨て牌は、 ( ) 切りでテンパイにとらず、 を捨てた方が



新たなテンパイのための必要牌が、3枚、2枚、3枚、3枚、4枚、3枚、4枚、と格段に多く

どの牌でテンパっても、3面待ち・亜リャンメン待ち・ノベタン待ちと、待ちの多い形になります。 

また、聴牌を取らずに、 を切るスタイルは、



3枚、3枚、4枚、2枚、3枚、3枚、4枚

と枚数的には、数が多いのですが、再度聴牌した時に、牌によっては、待ち牌に微妙な部分が出てきます。

どちらがいいか、また、河の状態にもよるかと思いますが、和了り率を考えた場合、

上の  を捨てる方が 和了り安さの面では優秀となりそうです。




 押し引きの考え方
麻雀で一番重要なものは、自分の手が早いが否か、手が高いか否か、待ちが多くなるか減るか、聴牌を取れるか否か
勝負するタイミングか否か、この考え方がピッタリ当てはまる人が一番強いと言われています。

要は勝負勘というものです。
麻雀はたった一局の勝負に勝てるか否かだけではありません。たくさんの麻雀を繰り返すことで身に付く経験や
たった一局と思っている対局の中にも さまざまなエッセンスが 詰まっています。それは、上級者との対局にもあり、
同じレベルの人との対局にもあり、 もちろん、初心者やツキのあるorない人との対局の中にも隠されているものです。
ただ、闇雲に麻雀を楽しんでいるだけのレベルのうちは、結局勝っていてもそれは評価されるものではありません。


麻雀で東風戦なら、東二局までと、東三局〜オーラスでは、麻雀の考え方は変わりますし
半荘戦なら、東ラスまでと南一局〜三局、そしてオーラスとは、考え方が変わります。

終始、同じ考えの打ち方をしている人がいるとしたら、
それは単に牌に恵まれているだけのことで、運の波のある麻雀では、それだけで勝ち残ることは難しいのです。

仮に、同じ手牌に出会ったとしても、東場と南場とオーラス、、親と子、TOP状態と2〜3位と ラス目の状態と、
すべて考える条件やベクトルは違うのです。

ここでは管理人の腕前で教えるだけの技量がないということで、簡単に触れるだけにとどめてしまいますが
1.点棒を増やす心構え、2.勝ちをキープする心構えと、3.負けを逆転する心構え、と大きく分ければ、
この3つになりますが、 これらを自在に操れるようになることが、麻雀の上達でもあり、勝負勘を磨くことにもなると思います。

ネット上にもすぐれた押し引きのテクニックを書かれたページはたくさんありますし、書籍でもあります。
これらを活用して雀力の向上をしていけば、知らない間に、勝てる麻雀が出来るようになっていると思います。





 強気と弱気
麻雀は最初から逃げで考えていては勝てません。でも、かといって強気ばかりでも勝てません。
どんなに負けていても逆転の可能性もあるのが麻雀ですし、どんなに勝っていても高い手や役満で
ひっくり返されることもあるのが麻雀です。

状況判断が出来るか否か…そんな大げさには考えないでもいいのですが、
ここで振り込んでは、次に跳満以上を和了ならないと勝てない…というのであれば我慢。
ここで逃げては、次の手が萎縮してしまうから押す!というのもあります。

弱気で攻めきれない麻雀を繰り返してもつまらないですし、だからといって
自分の持ち点も考えない強引な攻めを繰り返している人も、それでは負け組なのです。

麻雀に絶対の勝ちはありません。それがあるとすれば、それはプログラム的にフラグが立って
勝ちと判定された時のゲーム的な要素の強いゲームの場合は起こることかもしれませんが、
普通は、そんなに麻雀は甘くはないのです。

逃げていてもダメ。強引すぎてもダメ。
まあ、プログラミングゲーム的な要素の強い麻雀であれば、弱気の人の方がトータルでは勝てます。
もちろん、 ムダな振りこみを減らし、和了れる時に和了るという的確な判断さえ出来れば、
麻雀は勝ち組になれるはずなんですけどね。

調子こいて攻めてばかりでも、怖がって守りばかりでも、良い麻雀は出来ません。
これも、バランスなんですよね。知識ばかりでも、ぶんぶんばかりでも、それは正解ではないと思っています。

何事もバランス感覚が大切だと思います。





 形式聴牌(ケイテン)の重要性
形式聴牌(ケイテン)というのは、役がない和了れない聴牌形のことです。
偶然役である「海底撈月(ハイテイツモ)」「海底撈月(ホーテイロン)」「嶺上開花摸和(リンシャンカイホウツモ)」
「槍槓(チャンカン)」では和了れますが、それ以外では和了れない形です。

流局時には、1,000点〜3,000点もらえ(4人聴牌であれば移動なし)、この積み重ねも大きいですよね。
通常は、ムリヤリな形式聴牌狙いは好ましくありませんが、相手に脅威を与える形式聴牌や
安全牌がハッキリしている場合の形式聴牌狙いは十分に利用価値のある戦術です。

相手に脅威を与える形式聴牌というのは、最初はなかなか難しいものです。
また、相手がガンガン攻めてくるタイプであれば通用しないことも十分あります。

相手がどんな打ち方をしてくるかを判断した上で、使い分ける必要性はあります。





と、とりあえず、この回はここまでです。

いつも、これらの良形になるかと言えば、全ての形で必ず同じようになるとは限りませんが、
こういった先の先まで考えられるような麻雀になると、麻雀の技術がどんどん上がっていきます。

ネット麻雀では、そういったことはお構いなしに、どんどん鳴いていく人も多く見られますが、
それはそこまでの考え方しか出来ないプレイヤーであり、それが運のバランスをぐちゃぐちゃにしています。
本人はもちろん気付いていないし、またわたしでさえ、もしかすると鳴く方がいい?と思う場合もありますが
それが全てだとも思えません。

技術を磨きたい雀士は、無駄な鳴きかどうかを食う前に再度考えるものです。

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